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zoom RSS 目方で勝負!アラビアの釣りコンペ

<<   作成日時 : 2011/06/21 09:50   >>

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  かつて、私はサウジアラビアの東部州のカフジという町の石油会社に駐在していました。砂漠の国といっても、目の前には青いアラビア湾(ペルシャ湾)、そこには多数の魚が生息しています。世の中には釣りを趣味とする人はどこにでもいますが、この会社にもおきまりの釣りクラブがあり毎年2回暑さが遠のく4月と11月にコンペが行われていました。

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 ルールは次のとおりです。

1.参加者は2本のラインのみ海中に投入することができる。付け針の数は制限なし。
2.スペアーの釣り仕掛けはそばにおくことはできる。それは、かならず1本のラインを海中から引き上げた後使用
  できる。
3.釣具には籠、網の類は認めない。かならず、釣り針を使用すること。
4.つり餌は各自が持参すること、いかなる種類も問わない。ただし、魚は刻んでおくこと。
5.試合は審判員の合図で開始、午後5時、合図と共に参加者は釣具を片付ける。
6.獲物は水、氷 異物を除去し審判員に提出する。大きく傷ついた魚は異物として除外する。
7.勝敗は釣った魚の総重量できめる。
8.獲物は試合のあと参加者全員に公平に分配される。
9.審判員はルールに違反した者を失格とする権限を持つ。
  等々・・・。 1ページにぎっしりとアラビア語と英語で書かれています。

 参加者はあの手この手で勝とうとして船の出航前に港内でこっそり釣ったり、魚を買ってきたりしますから審判員は大変です。試合前に各人のクーラーを開けたり、計量の際も氷やおもりを魚の口に押し込んむ奴がいないか、いちいち調べねばなりません。 また、ルールに違反して2本以上のラインが海に投入されていないか試合中も目が離せません。 ルール表を手に、もし違反を見つけた場合は厳重な注意します。 今までのコンペでは失格者はありませんでしたが、 相当激しい口論も随所に見られました。 日本ではこんな事はありませんね。

 釣りクラブのメンバーは120人 予選、準決勝を勝ち抜いてきた10名がこのコンペに参加できます。クラブの日本人は20名、この釣り天狗たちがいつも賞を独占してしまったので彼らからクレームがつけられ、予選は日本人をまとめて行うようになりました。その代わり2名の参加枠がもらえるのです。

 船(タグボート)は釣りのポイントに到着、コンペが始まりました。 一向に魚信がありません。 みな大物をねらって仕掛けは大仰なものを使っているからです。ある者は、洗濯ロープにくじらでも釣るのかとも思う大型の釣り針に羊肉をつけています。 これにサメが掛かれば優勝間違いなし!
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       ホント!ドでかい釣り針、現地の釣りでは使わなかったが記念に日本に持ち帰った。
       (左)は魚信を知らせる真鍮ベル

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写真: 上から シャムイトヨリ(Bassi)  シマイサキ(Zomrool)   モンツキダイ(Miichawah)

いずれも15〜20cm



 私は仕掛けを8号アジサビキに換えました。6本の擬似針にエビの切り身をつけます。(こませ籠は禁止)   たちまち、10〜15センチのシマイサキ,イトヨリやモンツキダイ。それに30cmのアジなどがかかってきます。 

  かれこれ1時間でバケツ一杯になりました。一匹当たり30グラムしかありませんが、 トータルで3キロぐらいになります。いつもアジ以外はリリースするのですが、今日は仕方ありませんね。

 日本人がせこい釣りを始めたので、一向に釣れないアラブ人たちがカッカしているのがわかります。彼らをなだめるためにこれらの雑魚を餌として提供します。  アジはハムール(はた)の活き餌として最適ですから連荷であがってくると、周囲から何本も手が出てあっという間に持って行かれてしまいます。バケツの半分はなくなったようです。



  しばらくして彼らから歓声が上がりました。 5キロのハタが釣れたのです。活き餌を提供した私には不都合きわまりありませんが、拍手で答えました。

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                       はた (Hamoor) 通常5kg−10kg 


 そのうち、私の竿が弓なり、一瞬はねて元にもどりました。 サビキ仕掛けの針が全部なくなっていました。  きたぞ、ヒラアジが回遊してきた!

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  これに備えてスペアの竿(胴突き仕掛け、幹糸:18号、丸せいご針:18号 x 3 ハリス:シーガー10号)にアジの切り身を付け海に放り込みます。 たちまち魚信があり一気にごぼう抜きに引き上げます。さもないと、サメにやられてしまいます。 

良形のヒラアジ 皆が拍手してくれます。45cm 1.5キロか。 まずまずの獲物です。

 これを機にあちこちの竿がしなっています。

    ヒラアジ (Hamam)  50−60cm 1.5−2kg


 私も夢中で釣り上げます。 群れが去り 午前中が終りました。 この合間を利用して、また雑魚釣りで量を稼ぎます。

 船の手すりに結ばれた仕掛けのカウベルがからから音をたてました。あわてて取り込もうとする男が「ダメだ、上がらない」と悲痛な声を上げています。 数人が駆け寄って手伝います。(これはルール違反ではありません)上がってきたのは小学生の背丈ほどあるサメです。



 その後、潮が良くなったかフエフキダイ、タイワンダイなどが掛かってきます。 これでもサメを釣ったヤツには敵わないだろうな、そう思った矢先リールがうなり、竿が折れそうに湾曲しました。 必死に取り込みあがってきたのは、スギという珍しい魚、ようやく大物をゲットしました。

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写真:上から スギ(Sikin)70cm−100cm 4kg−10kg タイワンダイ(Andag)40cm 1.2kg



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  釣り上げたフエフキダイ(50cm、1.5kg)釣りのターゲットとしてアラビア湾ではもっともポピュラーな魚


 潮時が過ぎてまた皆の竿が沈黙します。 一か八か仕掛けを更に太くして、石鯛針25号、シーガー18号のハリスにします。 餌はイカの切り身。 



 突然、魚信がありスルリと抜けました。 見事 あのハリスが切られてしまいました。ワーオーオオ!アラブ人から声が上がります。 バラクーダが釣れたのです。バラクーダは若魚の時は群れを成しています。 それが来たのです。 私は仕掛けをワイアーに変えました。日本から買ってきた太刀魚針です。 すさまじい引き、バラクーダの鋭い歯がこれも食いちぎりそうです。 60cm−80cmを3匹釣ったところで試合終了。



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                   バラクーダ(Edwailmy) 60−150cm 




 釣り人と審判員が言い争っています。 今釣れているのだから、時間を延長しろと言っているのです。 しかし、審判員はルールだからと取り合いません。

 計量が始まりました。 やはり、先ほどサメを釣った男が優勝です。トータルで43キロ。 私は雑魚をふくめ、36キロで第2位でした。

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                               アラブの釣り仲間たちと


 甲板にはグルリと13個の獲物の山が積まれます。審判員がその山の中で目隠しされグルグルまわされ、最初に指差したところが、優勝者、それから船長、審判員の分、次に私の分です。 獲物は全員に公平に分けられました。

 帰途、私は今日の釣果に満足しながらも、コンペのために協力してくれた雑魚たちに心を痛めながらクーラーから取り出し航跡の波の中に葬りました。



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                  後日の表彰式で第2位の成績。トロフィーのほか副賞は腕時計




 注) これは拙著「おさかな千夜一沙漠の中で寿司食いねえ(文芸社)」のアラビアの釣りコンペの項をリライトしたものです。掲載できなかった現地の釣りや魚の写真をそえました。





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