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zoom RSS サウジアラビアの美味― カルーフ(羊)の丸焼き

<<   作成日時 : 2010/08/01 11:16   >>

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 前回、アラブの格言ーものの値段は交渉できめるべきであるーの中で、生きた子羊2頭を値切りに値切って買ったくだりをご紹介しました。 この2頭の子羊はどうなったのでしょうか? 気になる方もいるようです。 これはその続編です。

 中東ではカルーフ(羊)は一般的なアラビア料理です。 サウジアラビアの家庭料理はカプサといってぶつ切りにした肉をカルダモンなどの香辛料をきかして炊き込んだものが一般的ですが、結婚式や昇進などお目出度い席ではカルーフ(子羊)は丸ごと蒸し焼きにしたものが饗されます。 

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 この材料の生後3ヶ月の子羊は毎週水曜日の夕方に羊市場に出されます。遊牧民の貴重な収入源ですから羊飼いたちは方々から集まってきます。ちなみにここで売られるのは雄だけで雌は繁殖のため食用にはしません。30頭の群れでは雄は1頭で事足りますから余った雄の子羊は食用にされます。

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                       砂漠で放牧中の羊の群れ


 ともあれ、今週の休日(イスラムの休日は木、金です)に会社の部下たちとパーティをやろうと子羊を買いに来たわけです。 アラブ人スタッフの助力もあって安く買えたこの2頭を車のトランクに押し込んで、屠殺場に向かいます。 その日はもう時間外、やむなく私の社宅に連れ帰り庭の木につな;ぎました。私の子供たちは大喜びで羊に水やビスケットなど与えています。


                                ・・・・・・・・・・・・・

 翌日の朝、嫌がる羊を無理やり車のトランクに押し込めました。 子供達の「かわいそう〜やめて〜」という声を後に心を鬼にして屠殺場に着くと、あんなに車に積まれるのを嫌がって暴れていた羊たち、今度はトランクの奥に入って出ようとはしません。 殺されるのを本能的に察したのでしょうか・・・。次々とくる車に積まれた羊たちも同じです。 係員は手馴れた調子で引きずり出します。

 屠殺場の内部は思ったより清潔で、コンクリートの床の中央に作られた溝に張られた鉄網の上には何頭もの羊が並んでいます。 私の2頭の羊も右端におかれました。 イスラムではハラールといって家畜を屠る前にはお祈りを唱えなければなりません。 その立会人が必要です。

 順番が来て、私の羊の解体が始まりました。

 「私はイスラム教徒ではないのだが」  といいますと、
 「かまわない、オレがお祈りをするのを良く聴いていて欲しい」とのことで、儀式がはじまりました。

 お祈りの言葉とともに羊の頚動脈にナイフが当てられます。 すべての血が抜かれるまで、羊はそのまま鉄網の上に置かれます。

 頚動脈をきられ動かなくなった羊の4本のひずめがナタで落とされ(ひずめは不浄とのことです)天井のフックにさかさまに吊るされます。

 4本の脚、それから腹部にもナイフが入れられ一気に皮がはがされました。 まるでシャツを脱がすような手際の良さです。
 
 腹を割き、内臓が出されたあとホースの水で綺麗に洗浄されます。

 「カプサ? カルーフ」  この質問に「カルーフ」と答えます。 

 カプサの場合はそれから肉をブロックに切り刻みますが、カルーフは丸焼きですからそのままです。  内臓はレバーだけをもらうことにしました。

 これで解体処理は終わりです。 費用は当時の値段で1頭15リヤル=520円でした。(多分政府の補助もあるから安いのでしょう)

 今度はこれをレストランに持ち込み、料理を頼みます。 お腹の中にはレバーや丁子、カルダモンなどの香辛料をまぜたお米を詰めます。 私はこれに松の実とアーモンドを追加しました。これを釜で蒸し焼きにするわけです。

画像 直径1メートル近いステンレスの皿にはこれとは別にサフラン、干しぶどうなどをいれ炊き上げた米を敷き、その上に子羊を載せると出来上がりです。 2皿、これで部内の40人のパーティに十分です。 

 別にサラダを人数分注文し、これを翌日の夜のサラー(お祈り)の時間が終った後に、会社内のゲストハウスに届けてくれるよう頼みました。 コーラとミネラルウオーター50本ずつ、それにオレンジとリンゴ、禁酒国ですからアルコール類は一切ありません。 これがパーティの献立です。

              ・・・・・・・・・・・・

 翌日の晩、イスラム教徒の務めであるサラーを終えた私の部下たちは三々五々パーティ会場に集まってきました。 中には知らない顔もいます。 ここでは、そんな細かい事は詮索しません。 親父だ従兄弟だ友人だ、と 紹介され、いつの間にか打ち解けてしまいます。



 和気藹々の宴が始まりました。  スプーンやフォークやお皿など用意されていますが、アラブの流儀に従って皆でカルーフの大皿を囲んで手づかみで食べるのが一番!

 一番の珍味は脳みそ、目玉、舌の三品ですが、これは数が限られているとの理由だけのようで、ためした味は「・・・・」とでもしておきましょう。 アラブ人も食べる人はあまりいないようです。 


 費用は羊肉をふくめ、全額で約2000リヤル(約7万円)でした。日本でこんなパーティをしたら、一体いくらかかるでしょうか?

 このような羊パーティ、 私の日記によれば1991〜1998年の7年間に食べた羊が273頭。
でも、飽きません。もう一度機会があれば食べたいと思っています。




カルーフ・パーティの有様は「アラブの結婚披露宴:2006年10月20日」でご紹介しています。あわせてご覧下さい。


                (無断転載、使用はご遠慮下さい)

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